こんにちは!シェルパス不動産の福永です。
近年、経済的自立を目指すキャリア女性にとって、住まい選びは人生の重要な決断の一つとなっています。
都内の不動産市場において、賃貸と購入はそれぞれ異なる特徴を持ち、どちらを選択するかは個人の状況やライフプランによって大きく変わってきます。今回は、賃貸と購入それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説しますので、参考にしてみてください!
賃貸のメリット
1. 柔軟性の高さ
キャリアの変化や転勤に応じて住居を変更しやすいのが賃貸の最大の特徴です。比較的容易に引越しが可能です。特に、転職を考えている方で勤務先が変わる可能性があるケースや、海外赴任の可能性がある方には大きなメリットとなります。
2. 初期費用の抑制
購入に比べて初期費用が大幅に抑えられます。敷金・礼金・仲介手数料等は必要ですが、購入でかかる仲介手数料や銀行ローンを組むときに必要となる事務手数料、司法書士に支払う登記費用及び登録免許税はかかりません。通常、購入約半年後に納付する必要がある不動産取得税も不要です。
3. 維持管理の手間が少ない
建物の修繕やメンテナンスの多くは大家さんが負担します。突発的な設備の故障や建物の劣化に対しても、自己負担なく対応できる点は、忙しいキャリア女性にとって魅力的です。
4. 地震リスクを回避できる
建物を所有せずに借りるので、躯体部分に何かあっても修繕の必要はなく回避することができます。
賃貸のデメリット
1. 家賃の継続的支出
毎月の家賃は、いわば「消えていくお金」です。長期的に見ると、資産形成の観点からはかなり非効率な面があります。
2. 自由度の制限
内装の変更や、ペットの飼育など、様々な制限があります。自分好みの空間づくりを望む方には物足りなさを感じる可能性があります。また所有物ではないので気を使います。
3. 将来的な家賃上昇リスク
築年数の経過とともに家賃が上がることは少ないと思いきや、土地の価格が上がるエリアでは家賃は上昇傾向。また、物価上昇はもちろん金利が上がると大家さんの負担も大きくなるため、家賃に反映されやすいです。
4. インフレ時に資産が増えない
不動産価格が上昇した場合、賃貸ではその恩恵を受けることができません。東京では不動産取引価格の上昇により、2025年現在、過去10年を振り返るとほとんどの不動産所有者が含み益を得ています。さらに、ローン返済により残債が減少し、資産価値(売却価格)が上昇したことで、キャピタルゲインを手にしている人も多いのが現状です。これは賃貸の大きなデメリットと言えるでしょう。
購入のメリット
1. 資産形成
不動産は長期的な資産形成の手段となります。適切な物件選びができれば、将来的な資産価値の上昇も期待できます。また、住宅ローンの返済は強制的な貯蓄の側面も持ちます。ローン返済を続けることで資産が積み上がり、不動産価格の上昇時にはキャピタルゲインも期待できます。
2. 自由度の高さ・自分だけの空間作り・愛着
リフォームや内装の変更、設備の更新など、自分の好みに合わせた住空間を作ることができます。ワークスペースの確保やホームオフィスの設置など、ライフスタイルに合わせた改装が可能です。老後の住まいの安心感も大きな魅力といえるでしょう。年末の大掃除も愛着をもってできます。
3. 税制上の優遇
住宅ローン控除をはじめとする各種税制優遇を受けることができます。特に、所得税や住民税の軽減は、高収入のキャリア女性にとって大きなメリットとなります。
4. オーナーシップ
オーナーシップを持てる。物件を持つことの誇りのようなものです。ここに住んでいる、ここを買った、など
購入のデメリット
1. 多額の初期費用
頭金、諸費用など、まとまった資金が必要です。
2. 維持管理責任
建物の修繕やメンテナンス、管理費用は全て所有者の負担となります。計画的な資金準備が必要です。固定資産税・都市計画税が毎年かかります。また、近年は火災保険料も値上がりしているのでコスト増加につながります。
3. 資産価格下落リスク
不動産市況の変動により、購入時よりも資産価値が下がるリスクがあります。また、売却時には仲介手数料等のコストが発生します。
選択のポイント
以下の要素を総合的に検討するといいでしょう。
- 今後のキャリアプラン
- 資金計画(収入、貯蓄、投資方針)
- ライフスタイルの優先順位
- 将来的な家族計画
- 居住予定期間
特に、居住予定期間は大切です。
5年以上住む予定がないなら、賃貸をおすすめします。なぜなら、購入と売却での諸費用が大きいため、価格が値上がりしても手数料負けしてしまう可能性があるからです。
まとめ
賃貸と購入、どちらが正解というわけではありません。ご自身の状況や将来設計に合わせて、最適な選択をすることが重要です。特に、キャリア女性の方々は、仕事の継続性や将来的な収入の安定性なども考慮に入れる必要があります。
賃貸から始めて、将来的な購入を視野に入れるという選択肢も人気があります。
私のお客様で、購入したいと思っているマンションに住み、何年後かに別の部屋で購入した方もいらっしゃいます。とても賢い選択だと思いますし、リスクも限定的です。都内の中古マンションだったので、値上がりしてしまったことから「最初から買っておけばよかった」と言っていましたが、それは結果論。
そうは言いながらも、本人はとても納得していました。
住まい選びは、単なる居住空間の確保だけでなく、キャリア形成や資産運用の観点からも重要な決断です。この記事が、あなたの選択の一助となれば幸いです。